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ご家族やご親戚が亡くなると、避けて通れないのが遺産相続の問題です。それまで仲が良かったご家族が、相続の話をきっかけにぎこちなくなってしまうことも、決して少なくはありません。円満に相続を乗り切るためには、何を知っているべきでしょうか。

円満に財産を遺すには~遺言

1. “争族”を避けるために

一生懸命築いた財産が、残されるご家族の幸せのために使われれば、これ以上の喜びはありません。また、お世話になった方に残したいなどのご希望もあるでしょう。
しかし、「誰が・どのように相続するか」を決めなかったために、ご家族が相続財産をめぐって何年も争い続ける”争族”となることも稀ではありません。
そこで、生前に相続の方法を決めておくことのできる「遺言」を活用することをお勧めします。

法律で決まった方法で遺言をしておけば、相続問題の多くを未然に防ぐことができます。また、遺言の内容を実行する人を事前に決めておくこともできます。これを「遺言執行者」といいますが、これは中立的な立場にいる人に任せるといいでしょう。当法律事務所は、遺言の作成から遺言執行まで、お取り扱いしておりますので、お悩みでしたらお気軽にお問い合わせください。

2. 弁護士に依頼するメリット

今では、多くの書店で相続関連の書籍を手にすることができますので、ご自身で遺言書をお作りになられる方もいるでしょう。しかし、せっかく作った遺言書も、ほんの少しの間違いで無効になることがあります。
また、ご自身のご希望を細かく叶えるためにも、正確な法律知識が求められます。たとえば、何人かの方に、それぞれ異なった方法で相続させたい、あるいは特定の人には相続させたくないが、もめ事が起きないようにしたい、といったご希望がある場合には、ぜひ弁護士にご相談ください。

3. 銀行との違い~遺言執行

今では,「遺言信託」として,銀行も遺言執行を手掛けています。しかし、大きな組織である銀行にとっては、一つ一つの信託は、数ある仕事の一つに過ぎません。弁護士に依頼した場合、同じ弁護士が、最後まで継続的に、ご依頼者様のお手伝いをさせていただくことになります。
また、ちょっとした疑問であっても、家庭医ならぬ家庭弁護士として、お気軽に法律相談をしていただくことも可能です。

相続が始まったら

やっておくこと

市役所などへの届け出,相続税の支払い

ご家族が亡くなった場合、まずは市役所等に届け出る必要があります。また、相続税の支払いが必要となると、原則として10か月以内に相続税を支払う必要があります。

それでは、その他には何を行えばいいでしょうか。

相続放棄,限定承認

財産のほかに借金があったり、借金しかない場合もあります。もしくは、借金が「あるかもしれない」という場合もあります。このような場合、「相続放棄」「限定承認」といった方法で、借金を相続しないか、相続しても相続財産の範囲に責任を限定することもできます。
「相続放棄」「限定承認」は、基本的にご本人が亡くなられてから3ヶ月以内に家庭裁判所に申し立てる必要があります。ただし、事情によっては、3ヶ月が過ぎてからでも相続放棄や限定承認ができる場合もあります。

遺産分割協議

遺言をしていなかった場合、したつもりでも法律的に問題があった場合などは、どうでしょうか。
この場合は、相続人全員で話し合う「遺産分割協議」をすることになります。

やってはいけないこと

遺言書の開封

ご本人が遺言書を作成して封筒などに密封していた場合、開封してはいけません。このような場合は、家庭裁判所が遺言書の内容を確認する「遺言の検認」を申し立てる必要があります。

財産の処分・未払年金の受取・借金等の支払い

相続放棄や限定承認をする前に、「相続財産を処分する」「相続債務を返済する」ということをすれば、原則として相続放棄も限定承認も行えなくなると考えてください。
何が「処分」にあたるか判断するには、専門的な知識が必要な場合がありますので、迷われた際にはすぐに弁護士にご相談ください。

財産の処分・未払年金の受取・借金等の支払い

相続放棄や限定承認をする前に、「相続財産を処分する」「相続債務を返済する」ということをすれば、原則として相続放棄も限定承認も行えなくなると考えてください。
何が「処分」にあたるか判断するには、専門的な知識が必要な場合がありますので、迷われた際にはすぐに弁護士にご相談ください。

もめてしまったら

色々と話し合っていくうちに、相続人同士で考えが食い違ってしまい、もめてしまうことがあります。相続人だけでは話合いにならないときには、家庭裁判所の手続きを活用しましょう。

「裁判所」というと敷居が高いと思われるかもしれません。しかし、「調停」という手続きは、中立な立場の「調停委員」が2人、相続人全員の話を聞いて、うまく相続の話合いがまとまるように調整をするものです。家族だけだと感情的になってしまう場合でも、冷静な第三者が間に入ることで、スムーズに話が進むことも多くあります。どうしても調停で話合いがまとまらない場合でも、「審判」という手続きで、裁判官による判断を受けることができます。

どの場合でも、生前のご本人との関係などで相続内容が変わることがあります。専門的な知識が求められる場合もありますので、お困りの際は、お気軽にお問い合わせください。

相続問題 Q&A

亡くなった人(被相続人)が持っていた財産です。この財産には、不動産(土地建物)、預貯金、株式などのプラスの財産はもちろん、借金などのマイナスの財産も含まれます。
被相続人に配偶者がいれば必ず相続人になります。配偶者と共に、被相続人の「子」、「親」、「兄弟姉妹」の順で相続人となります。被相続人が死亡する前に、相続人となるべき人が死亡してしまった場合には代襲相続が発生します。
なお、誰も相続人がいない場合、被相続人と一緒に暮らしていた人等、被相続人と特別の関係があった人がいれば、特別縁故者として、家庭裁判所に請求して、相続財産の全部ないし一部をもらえる場合もあります。
原則として各自平等です。代襲相続人も他の相続人と平等で、代襲相続人が複数いれば各自平等です。但し、非嫡出子は、嫡出子の2分の1です。もっとも、この規定は法の下の平等に反し、将来は改正されるべきだと考えます。
決まりはありません。相続人など関係者で話し合って決めることになります。
ただし、香典をあてて足りない場合には、相続財産から支払うというのが一般的なやりかたです。後日のトラブルを防ぐためにも、支出を明確にし、領収書をそろえておくのがいいと思います。
まずは、相続人同士の協議で行われます。話し合いがまとまらなければ、家庭裁判所に調停を申し立てることになります。調停が不成立なら、審判に移行します。
相続税の申告期限が相続開始を知ったときから10ヶ月以内なので、遺産分割協議もこの期間中になされる必要があると誤解されているようです。遺産分割に期間の制限はなく、いつでも分割ができます。
ただ、申告期限までに遺産分割が終了していないときには、相続税の各種控除が受けられないことがあります。
遺言者が、その全文、日付及び氏名を自著し、押印して作成します。遺言の存在自体を秘密にできますが、後で偽造が争われてしまう場合があります。自筆証書遺言を保管する者は、相続開始後遅滞なく家庭裁判所に検認の手続きをとる必要があります。
証人2人が立ち会い、遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授し、公証人がこれを筆記して遺言者及び証人に読み聞かせ、遺言者と証人が筆記が正確なことを確認し、各自署名押印し、公証人が以上の方式に従ったものである旨付記して署名し押印して作成します。
偽造が争われることを防ぐためには、この方法がベターです。検認の必要もありません。
遺言があるとき、法定相続は遺言の限度で修正され、遺言が優先されます。ゆえに、原則として遺産分割は不要です。ただし、相続人全員の合意により、遺言によらない方法で分割することもできます。
「遺留分」という制度があります。この「遺留分」は、遺言によっても処分できない権利です。ただし、兄弟姉妹には、遺留分はありません